1:2016/01/01(金) 19:45:43.35 ID:
(写真は新京報の12月30日付報道の画面キャプチャー)

 極めて重度な大気汚染に見舞われ続けている北京では、中国政府が自国の北部で進めている大規模な緑化事業が一因との主張が発生した。中国メディアの新京報は12月29日付で、同主張は事実ではないとする、中央政府・国家林業局関係者の反論を紹介した。

 大気汚染の一因として批判されているのは、国家林業局が「三北防護林」として進めている緑化/植樹事業だ。「三北」とは、華北・東北・西北を指し、該当地域は黒龍江、吉林、遼寧、河北、山西、陝西、甘粛の各省と、新疆ウイグル自治区、寧夏回族自治区、内モンゴル自治区、、北京市、天津市と極めて広大だ。

 三北防護林は、「三北」の該当地域で加速する砂漠/荒地化と土地流失を緩和する目的で、1978年に始まった。当時の中国は極めて貧困であったが、生態保護の必要性を強く認識しての着手だったと評価できる。完了は2050年と、極めて長期に渡る計画だ。

 ところがインターネットなどで、三北防護林が北京などの大気汚染の一因になっているとの説が見られるようになった。三北防護林が黄砂の飛来を低減していることは多くの人が認めているが、「ならば、風が流れる障害になっているのではないか。だったら、大気汚染は悪化する」との論法だ。

 同主張に対して国家林業局の張建龍局長は、同論法は根本的に違っている主張。まず、北京市内では黄砂襲来がめっきり減ったが、北京周辺や内モンゴルでの「三北防護林」建設が奏功していると説明。さらに、樹林が風速を落とすのは事実だが、」効果は地表近くに限定されている」と論じた。

 張建龍局長は、森林率が66%の福建省では汚染物質によるスモッグは発生しておらず、森林率23%の北京で深刻な汚染が発生していると指摘。大気汚染の第1の原因は汚染物質の排出であり、それに気象条件が加わると述べた。

 さらに、「植物は大気中の汚染物質を吸収する」、「北京大学は植物による汚染物質の有効活用を研究している」、「樹林を伐採しても風速が高まるとは思えない」、「樹木を伐採したら、かえって土埃が舞い上がる」などと、樹木を減らすことは、大気汚染を緩和するどころか、悪化させる可能性があると説明した。

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◆解説◆

 張局長が説明するように、樹林が大気汚染を悪化させているとの主張は荒唐無稽に思えるが、国家林業局局長がきちんと反論する必要を感じるまでに、同主張が広まったことは興味深い。

 日本ならば、環境汚染が発生した際にはまず「本来の自然を取り戻せ」との声が高まるのではないだろうか。つまり、「自然」に全幅の信頼を置き、自然から逸脱した場合に問題が生じるとの発想だ。日本の自然環境が世界的に見ても、穏やかで豊かであることが反映された考え方と言える。

 一方、中国の自然は、特に北部や内陸部では過酷だ。そのため、人にとって良好な環境を得るためには、場合によっては「自然を人工的にコントロールするのが効果的」との発想になりやすいと考えられる。

(編集担当:如月隼人)
サーチナ 2016-01-01 17:33
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