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(イメージです。)


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:2016/02/27(土) 19:41:51.35 ID:
 2012年10月に長崎・対馬で起きた文化財窃盗事件が第2ラウンドを迎える。

 この事件は、対馬の海神神社から国指定の重要文化財「銅造如来立像」が、観音寺から県指定の有形文化財「観世音菩薩坐像」が盗まれたもので、ほどなく犯人は逮捕。韓国に持ち込まれた仏像2体も売買される間一髪のところで回収され、仏像は盗品として返還されるはずだった。

 ところが、窃盗犯の実刑が確定後、「銅造如来立像」は昨年7月に海神神社に返還されたものの、「観世音菩薩坐像」のほうはいまだに韓国に留め置かれたままだ。韓国の全国紙記者が言う。

「韓国の浮石寺が観世音菩薩坐像は倭寇に略奪されたものだとして『有体動産占有移転禁止』の仮処分を申請し、これが13年2月25日に認められました。このため、仏像は移転禁止=動かせない状態となっているのです」

 しかし、この仮処分の取り消しを求めることができる期日が目前に迫っている。韓国の弁護士が解説する。

「韓国の民事執行法では、(仮処分)執行後3年の間、本案訴訟が提起されない場合は、債務者および利害関係者が仮処分の取り消しを求めることができる(第288条第1項3号)としています。ここで取り消し申請ができる債務者とは韓国政府を指し、利害関係者は観音寺となります」

 つまり、浮石寺が仮処分の執行日(決定から2週間以内)から3年が過ぎた時点でも訴訟を提起しなければ、仮処分の取り消し申請が可能となり、認められれば「観世音菩薩坐像」は晴れて日本に返還されるというわけだ。

 だが、「事はそう簡単ではない」と前述の弁護士が続ける。

「韓国政府と観音寺のいずれかが仮処分取り消し申請をした場合、裁判所はまずその申請自体が妥当かどうかについて審査します。仏像を日本側に返還するために韓国政府が取り消しを求めた場合は裁判所がこれを認めない可能性は低いですが、観音寺が利害関係者であるかどうかについてはどこまでも裁判所の裁量によります。つまり、認められない可能性もある」

 もし、韓国政府が政治的な理由から返還を延ばしたり、観音寺が申請した仮処分の取り消しが認められなかったり、また、浮石寺が本案訴訟をしない場合は、このまま移転禁止の状態が続いていくのだという。

「瑞山浮石寺金銅観世音菩薩坐像を元の場所に奉安委員会」の李相根共同執行委員長は言う。

「仮処分の取り消し申請が提出されれば、そのときは訴訟しようと準備している。日本の資料をあたると、観世音菩薩は一方的な請求により渡来したという記述もあり、これは略奪を意味するものと思われる。訴訟の準備と並行して国際機構へ訴える準備もしているところです」

 事態はどう動くのか。

(本誌取材班=松岡かすみ、牧野めぐみ、亀井洋志/黒田 朔、菅野朋子)
※週刊朝日  2016年3月4日号
dot.asahi 2016/2/26 07:00
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