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(イメージです。)


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:2016/03/16(水) 20:57:25.50 ID:
改めて感じた。韓国人は絶望に襲われている暇がないということを。暗鬱な政局に挫折と絶望が深まる頃、「我々まだ生きている」という勇気と希望のメッセージを投げかける英雄は必ず現れた。李世ドル(イ・セドル)九段もそのような英雄に値する。

彼が人工知能(AI)囲碁プログラム「アルファ碁」との対局で3連敗後に初勝利をつかんだ場面は、1998年の通貨危機当時にゴルフ選手パク・セリが全米オープンで見せた「裸足の闘魂」と重なった。

パク・セリが水中に落ちたボールを打つために靴下を脱いで池に入る瞬間、我々は彼女の黒いふくらはぎと対照的な白い足を見た。彼女の労苦がひと目で分かった。そして韓国人には不可能と思われた全米オープンで優勝した。彼女はその厳しかった時期に、根気と努力の前に不可能はないという勇気を呼び起こした。

李世ドルの教訓はこれよりスケールが大きく現実的だ。勝敗を離れて彼が対局期間に見せた態度は、わが国の人々の間に広まった敗北主義的観念を正面から打ち砕くものだった。

「実力不足で負けた」「李世ドルが敗れたのであって人間が敗れたのではない」。李世ドルが3連敗した後、一部では人間1人とコンピューター1202台の不公正対決だという不満があふれた。しかし彼は不平を言わなかったし、敗北をきれいに認めた。ゲームを「人間vs機械」という形で誇張することもなかった。不公正だという不平は典型的な「他人のせい」だった。人の脳が数億個のニューロンで連結されているようにAIが正確に作動するにはネットワークが必要だ。それがAIの本質だ。

いつからか我々の社会には「他人のせい」文化が蔓延している。社会の指導層が率先した。朴槿恵(パク・クネ)大統領からして、うまくいかなければ国会のせいにした。尹相ヒョン(ユン・サンヒョン)セヌリ党議員は「金武星(キム・ムソン)を殺せ」という暴言波紋の後、この事件の本質は自分の暴言ではなく「誰かの録音だ」と述べ、「天を仰いで一点も恥じるところはない」と叫んだ。この場面を見る我々は恥ずかしいが、彼は自分のせいでないと言って退かなかった。このような「他人のせい」文化はいつのまにか全方向に拡散中で、韓国社会の心配される敗北主義の一断面となった。囲碁で負けたことを機械のせいにするのは恥ずかしいことだ。李世ドルは「他人のせい」にしない立派な態度を身自ら見せた。

「アルファ碁は2つの弱点を露出した」「アルファ碁は黒で苦しむようだ。次は私が黒で臨む」。李世ドルは3回の対局でアルファ碁の弱点を看破した。そして残りの対局では自分がより不利な状況を選んだ。最後の対局で負けたが、人間の創意性が機械を支配できるという点、機械にはない人間の思考を見せ、彼はこの対局が始まった後から「人間界」に広まったAIに対する恐怖を拭い払った。

彼が挙げた1勝が輝くのはこのためだ。彼の勝利は韓国産業史に重要なモメンタムとなるだろう。すでに世界ではAIが中心となる第4次産業革命が進行中だ。90年代から始まったIT革命は情報流通に重点を置いた情報革命だった。AI革命は、情報処理とともに人間の直観力と意思決定能力まで学習した人工知能が意思決定までする「人間と機械が共生する社会」を開くことになる。今まで人間が享受した職業が消え、新しい職業が誕生する、まさに人間界の革命が起きるのだ。

彼の1勝は、我々がAIに対する恐怖を克服し、産業を先導することができるという自信を与えた。情報通信技術振興センターの昨年の調査によると、韓国のAI技術は先進国に比べ2.6年遅れているという。大きな格差だ。しかし韓国人はやると決心すれば必ず追いついて圧倒する実力がある民族だ。今のように政治も経済も混乱したこの暗鬱な時期に、李世ドルのAI挑戦はひょっとすると、我々がAI経済を先導するべきだという悟りを得る過程なのかもしれない。危機を迎えるごとに現れる立派な韓国人がいるため、わが国は本当に暮らしてみる価値のあるところだ。

ヤン・ソンヒ論説委員

http://japanese.joins.com/article/305/213305.html
http://japanese.joins.com/article/306/213306.html