韓国 国旗 
(イメージです。)


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:2016/04/13(水) 20:37:57.22 ID:
崔碩栄(ジャーナリスト)

三百万人が見た「鬼郷」にこれだけの問題点が――

 今、韓国で映画『鬼郷』が社会現象となっている。日本軍による朝鮮人少女たちの強制連行、性暴力、虐殺などが描かれたこの映画が一般公開されたのが二月二十四日。以来、三週連続一位を記録、観客動員数三百万人突破と快進撃を続けている。

 物語は両親とともに平和に暮らしていた少女ジョンミンが、ある日突然訪ねてきた日本軍によって強制的に連行されたところから始まる。ジョンミンが連れていかれた場所は中国にある日本軍慰安所。ここで少女は地獄のような生活を送ることになる。日本軍は無慈悲に暴力をふるい、失神した少女を強姦し、軍刀で脅し、容赦なく鞭を振り下ろす。

 映画のラスト近く、日本軍が少女たちを集団虐殺した後、死体に火を放つシーンがある。最も話題となっている場面だが、これは元慰安婦・姜日出(カンイルチュル)さん(87)の絵と証言をもとにして作られたものだと盛んに喧伝されている。しかし、そこには観客をミスリードする非常に危うい要素が含まれているのだ。

 映画の冒頭、スクリーンの中央に、この映画は「実話をもとに作られた」と字幕が表示される。元慰安婦の「証言」をもとに脚色された創作物なのか、「実話」をもとにしたのかでは明らかな差違がある。「証言」と「実話」は峻別されなければいけない。「証言」は、あらゆる角度からの検証がなされて初めて「実話」となるはずだ。

 私はソウルの映画館の出口で『鬼郷』を見終えた観客たちにインタビューを試みた。「この映画の内容は実話だと思いましたか?」。こう問うと、「ええ。ほとんどが実話だと思います。こんな事実を知らなかった自分が恥ずかしい。元慰安婦のおばあさんたちに申し訳ない気分です」、「少しは脚色があるでしょうけど、ほぼ事実でしょう。もっと多くの人に見てほしい」。多くの人がこう口をそろえた。

 『鬼郷』は、「実話」なのか?

・連行の原因は義兄の告発

 残念ながら、映画の根拠とされている元慰安婦・姜日出さんの一九四三年当時の公式記録は見つかっていないため、正確に検証することはできない。ただ、参考資料として、慰安婦支援団体系の研究所が作った姜さんの証言録を見ることができる。

 子細にこれを読み込むと、そこには『鬼郷』では伏せられたエピソードが残されていた。

 姜さんの証言が掲載されているのは、〇三年に発行された『中国に連れていかれた朝鮮人軍慰安婦たち2』(図書出版ハンウル)という書籍で、韓国挺身隊研究所が編纂したものだ。姜さんの証言は、研究員によって整理されているはずにもかかわらず、話があちこちに飛び、時系列も前後しているために、一度読んだだけでは、いつ、どこで、何が起きたのかを把握することが極めて難しい。そもそも、終戦後ずっと中国で生活していた姜さんが、〇〇年に韓国に帰国後、七十歳になってから口述された記録だというのだから、それも致し方ないのかもしれない。

 証言録によると姜さんは、村長が警察にその名を届け出たことで連行の対象になったという。村長の名前は河氏といい、彼女の義兄であった。当初、他の男性のもとに嫁いでいた姜さんの姉を、河氏が誘惑し、二人で大阪に逃亡した過去があった。そのため、義兄と母の折り合いは悪かった。姜さんは「(自分を)辱めれば、母親がすぐに死んでしまうだろうと(村長は)思った」と語っている。義兄の告発を受けてやって来た警察と軍人によって、自分は連れて行かれたのだと姜さん自身がはっきりと証言しているのだ。

>>2以降に続く)

文藝春秋web 2016.04.13 07:00
http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/1856