1:2016/04/25(月) 10:11:18.88 ID:
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 「家でブラブラしていてもしょうがない」

 約10年前に北朝鮮から韓国に来た北朝鮮離脱住民(脱北者)のナ・ヨンシク氏(仮名)が、2014年の記憶を思い出しながら、こう語った。ナ氏はその年の夏、ソウル汝矣島(ヨイド)のKBS(韓国放送)前で開かれた集会に参加した。「KBSが文昌国(ムンチャングク)首相候補者の(「日本の植民地支配は神の意志」などと語った)講演内容を悪意に編集して歪曲報道した」と糾弾する内容の抗議集会だった。普段から知っていた脱北団体関係者から連絡を受けたナ氏は、ソウルの鐘路で他の人たちとともにバスに乗り、集会場所に移動した。一行200人余りのうち約50人が脱北者だった。「KBSが文昌国を首相にしてはいけないと暴露した。そこで『なぜこんな良い人に首相をさせないのか」と1時間くらい騒いで帰った。そんな風にどっと(押しかけて)やった」。ナ氏はその日、現金2万ウォン(約2千円)受けとり帰宅した。同じ年、京畿道の水原地方裁判所前で開かれた李石基(イソッキ)統合進歩党議員に対する有罪判決を求める集会やセウォル号反対集会など、保守団体の集会に数回参加して2万ウォンの小遣い稼ぎをした。

 大韓民国父母連合や大韓民国在郷警友会などの保守団体が、脱北者に日当を与えて保守団体の集会に動員していた事実が続々と明らかになっている。保守団体が生活苦にある脱北者に小銭を握らせ、“政治的”に利用しているとも批判されている。

 脱北者たちは、いわゆる「地域の総責任者」などのつてで集会への参加を勧められている。脱北者は主に仁川(インチョン)、ソウル・蘆原(ノウォン)、陽川(ヤンチョン)の自治体から支給される賃貸アパートを中心に集まって住んでいる場合が多いが、そのうち人脈が広い脱北者が集会の動員連絡係を務め、周辺の脱北者に「何日何時まで地下鉄の駅の何番出口から行けばいい。それを誰かが組織する」といった内容の電話や携帯メールを伝えるやり方をしているという。ある脱北団体関係者は「脱北者たちを呼んで欲しいと頼まれれば100人でも200人でも動員するブローカーがいる」と話す。

 脱北者には集会に参加するたびに2万ウォン程度のお金が支給される。お金の代わりに弁当や家電製品、海苔のような景品を与えるなど「(やり方は)主催者の組織のし方次第」というのが関係者の話だ。ある脱北者は「集会に参加する脱北者が増え、7~8年前は4~5万ウォンだったのが2万ウォンに減った」と話した。

 脱北者にとり集会への参加は「落穂拾い」のようなものだ。落穂拾いは、農作物を収めた後に地面に落ちた米粒や野菜などを拾うという意味から転用される北朝鮮の言葉だ。「はした金でも欲しい老人たちが集会に参加し、2万ウォンずつ生活費に充てている」という意味だ。

 実際に集会に参加する脱北者たちを見ると、その大半が60、70代の高齢者だ。雇用を手にすることが難しい高齢の脱北者たちは、政府から支給される40~50万ウォン(約4~5万円)の基礎生活受給費で生計を立てる。しかし、これでは基本的な衣食住も難しいため、2万ウォンでも得れれば集会へ向かうことになるという。北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃、「天安」沈没などの事件が相次いで発生した2012年に北朝鮮を糾弾する集会に参加したことがあるという脱北者のパク・ミンスン氏(仮名)は「集会にいく脱北者たちは最下層貧民」だとし、「町内で段ボール拾いをしようにも古参に牛耳られている。昔は(集会に参加す
れば)5万ウォンをもらえたというが、今は2万ウォン、今後は1万ウォンでも十分に動員できる人たち」と話した。

 脱北者福祉事業をしている団体の関係者は「この人たちには集会を主催するのが)左派だろうが右派だろうが、そんなことは関係ない。若い人たちはバイトを探せるけど、脱北者のうえ高齢の人は仕事を見つけることさえ難しい。集会参加は生計維持のためのお年寄りの新型バイトのようなものだ」と話した。

2016/04/24 21:04
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/23971.html