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:2016/05/08(日) 10:55:41.43 ID:
【寄稿】訴訟手続きの簡素化で韓国も「訴訟天国」を目指せ
朝鮮日報

 韓国政府は最近、低所得層が容易に訴訟を起こすことができるように訴訟の手続きを簡素化する作業を行っている。
最高裁判所によると、2013年に「一人で訴訟を起こした人」の割合は全体の75%を占めているが、これは訴訟手続きが簡素化されたためだ。

訴訟手続きの簡素化により訴訟が増えることを懸念する見方がないわけではない。訴訟の乱用が行政費用の無駄遣いに結び付くというのだ。しかし、その反対に社会的利益といった観点からも見つめる必要性がある。

 筆者が23年間ニューヨーク州の弁護士として勤務しながら見てきた米国を例に挙げてみよう。米国は毎年民事訴訟が1830万件も発生する「訴訟天国」だ。最近では、ペンシルベニアのある女性がソーセージの小売価格と陳列される際の価格が2セント(約2円)違うとしてウォルマートを相手取って訴訟を起こしたケースもある。この女性は100ドル(約1万800円)の賠償金を手にした。このため訴訟の乱用で経済発展に支障を来すという批判の声もある。

 しかし、私はこの訴訟で得た社会的利益がより大きかったと考えている。顧客に正確な価格を提示しなければならないという警戒心を、ウォルマートだけではなく、全ての企業に植え付けるきっかけとなったからだ。このように米国の裁判所は、判例を通じて、基準に違反した際の制裁が何なのかを教えている。市民と企業は、これを通じて行動基準を定め順法精神を強化する。

 これに比べ韓国は事情が全く違っている。容易に訴訟を起こせるよう政府が率先しなければならないほどだ。何も問題は、政府が進めている手続きの簡素化だけにあるわけではない。

さらに重要なことは、お金のない人々は訴訟を起こしにくいという点だ。

高い印紙代を支払わなければならない印紙法、そして敗訴した側に訴訟費用を全額負担させる民事訴訟法などが挙げられる。

例えば10億ウォン(約9500万円)の損害賠償請求を起こす場合、原告は印紙代としてまずは405万5000ウォン(約38万円)を支払わなければならない。さらに敗訴したとなれば、相手側の訴訟費用までも負担しなければならない。

「訴訟を起こせば家が滅びる」という言葉が出てきた理由がまさにここにある。米国は勝敗にかかわらず、訴訟の両当事者が費用を負担する。特にニューヨーク州では200ドル(約2万2000円)でいくらでも訴訟を起こすことができる。

 一般市民は、数多くの法律を一つ一つ覚えるわけにはいかない。そこで裁判所に頼ろうとするわけだが、手続きが複雑でお金もかかるため障壁が高い。悔しいことがあっても訴訟に乗り出すためには、並々ならぬ決意なくしては訴訟を起こせないといった構造をまずは変えなければならない。訴訟の乱用に対する懸念よりも、法律福祉の質を高める方が先決だ。

キム・ボンジュン米法務法人
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2016050700516