person-1284011_640.jpg 
(イメージです。)


1
:2016/05/09(月) 15:12:05.70 ID:
岡部伸の英国ウオッチ

1978年の世界マッチプレー選手権で青木功が日本人として初めて海外ツアー制覇したロンドン郊外にある超名門ゴルフ場、「ウェントワース・ゴルフクラブ」が訴訟問題で揺れている。

英中蜜月の象徴として買収した中国系企業が地元会員を排除して世界のスーパーリッチ(富豪)専用にしようと新たに12万5000ポンド(約1950万円)の会員権制度を導入するなど金満経営を始めたため、

会員たちが「利益優先ビジネスは歴史と伝統を重んじる英国ゴルフの文化を破壊する」と反発、法的措置を検討して、26日から予定される欧州ツアー「BMW PGA選手権」も私道を閉鎖するなど開催阻止する構えだ。

◆公爵の義弟の館

「ウェントワース・ゴルフクラブ」は、ヒースロー空港の西南のサリー州の超高級住宅地にあり、ロンドン中心部から車で約1時間。1926年に設立され、英国で最も豪華で格式高いゴルフ場の一つで、中世の城のようなクラブハウスは銃眼があるウェリントン公爵の義弟の邸宅だった。

チャーチル元首相もメンバーで第2次大戦中は英国政府の緊急時の避難先でもあった。

欧州と米国のプロ対抗戦、ライダーカップの生誕地であり、毎年5月欧州ツアー旗艦大会「BMW PGA選手権」が開催され、欧州ツアーの総本山と呼ばれる。

駐車場には、ロールスロイスやベントレー、フェラーリの高級車が並ぶ「セレブのゴルフ場」の雰囲気を醸し出す。テニスコートやヘルス・クラブも併設されている。

1978年10月の世界マッチプレー選手権で青木功選手が優勝したことでも知られ、青木は、2番ホールのパー3でホールインワンを達成、賞品として家をプレゼントされ、別荘として使用しているという。ほかにもプロゴルファーのアーニー・エルスや米俳優、シルベスタ・スタローンも別荘を構えている。

◆英中蜜月の象徴

かつて七つの海を支配して日が沈まぬ大英帝国として世界に君臨した英国は近年、衰退著しくアジアで成長著しい中国の経済力に着目、英国への投資を求めて中国に急接近している。

「ウェントワース・ゴルフクラブ」が2014年秋、北京に本拠を置く不動産開発の中国系企業「レインウッドグループ」に1億3500億ポンド(約210億6千万円)で買収されたのもその一貫だった。

創立者のタイ系中国人、チャンチャイ・ルアイラングアング会長は「ウエントワース独特の伝統と文化を保存する」と約束。英中関係拡大を主導するオズボーン財務相は、買収を「英中蜜月の象徴」とたたえた。

しかし「蜜月」は長く続かなかった。昨年10月、訪英した習近平国家主席が女王主宰の晩餐(ばんさん)会に出席し、原発や高速鉄道への投資など総額7兆円の巨額契約を結び「英中黄金時代」をアピールした数日後、「レインウッド」は同クラブのビルマ・バーで会員を前に英国ゴルフの常識を破る奇矯な計画を発表した。

◆世界一のゴルフクラブ

「世界のスーパーリッチ(富豪)らが利用する世界一のプライベートゴルフクラブ」を目指して同クラブを改装するため初期投資として2千万ポンド(約31億2000万円)が必要。

さらにその後2年間、1千万ポンド(約15億6千万円)をかけて設備を改善するとして新たに2017年4月から会員権制度の導入を明らかにした。

具体的には
(1)現在、地元の政治家や経営者、医師ら富裕層を中心にテニス会員を含めて約4500人いる会員を、中国で縁起のいい数字とされる8にちなんで888人まで減らす
(2)クラブへの入会金はこれまで15千ポンド(約234万円)だったが、既存の会員も会員としての権利を継続するため会員権として10万ポンド(約1560万円)を購入する。新規入会するには、会員権代として12万5千ポンド(約1950万円)を支払う
(3)年会費もこれまでの8千ポンド(約125万円)から1万6千ポンド(約250万円)に倍増する-などだった。

産経新聞 2016.5.9 (ロンドン支局)
http://www.sankei.com/world/news/160506/wor1605060003-n1.html

続きます