1:2016/05/14(土) 21:57:08.33 ID:
(画像:日本にたとえると表参道のような立地にあった1号店の跡地)
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2011年から韓国・ソウルで3店舗を展開していた一風堂(力の源カンパニー)が今年2月末日、すべての店舗でのれんを下ろした。

「大げさだけど、一風堂のラーメンを食べることが異国にいる励みになっていたのに……。まさか一風堂が全部なくなるなんて思ってもいなかった」(30代、日本人ソウル駐在員)と、予期すらしていなかった撤収に、在韓日本人はもとより、一風堂ファンの韓国人の間で「なぜ?」「どうして?」と戸惑いと衝撃が走った。

・本場の味を提供していた一風堂

一風堂といえば、言わずと知れた豚骨ラーメンの雄だ。

1985年、九州・博多にカウンターわずか10席からスタートして以来、日本のラーメン界を牽引し、今や国内で94店舗、海外でも2008年のニューヨークを皮切りに12カ国・地域に52店舗を擁するグローバル企業でもある。

そんな一風堂がニューヨーク、シンガポールに続いて進出したのが韓国だった。韓国の総合複合企業のエギョングループ(以下、AKグループ。財閥50位圏内)とライセンス契約を結び、2011年5月、ソウルきっての流行スポット江南に1階はラーメンダイニング、2階はバーという瀟洒(しょうしゃ)な作りの第1号店を華々しくオープンさせ、「毎日行列ができていた」(近くにあるブティック店員)ほどの人気店に。同年末には2号店、翌年には3号店も同地域にオープン。2014年には20~30代が集まる大学街などに進出するという報道も流れ、このまま順調に店舗数を伸ばしていくものとみられていた。

韓国での和食人気はかつての「(和食)もどき」から「本場の味志向」へと移り変わっている。そんな背景からも、本場の味を提供していた一風堂の「撤収」は思いもよらないものだった。

閉店した一風堂のドアには、韓国語では「やむを得ない事情」、日本語では「ライセンス契約終了」と店を畳んだ理由が記された紙が一枚、寂しく貼り出されていた。

どうして閉店してしまったのか。一風堂の広報は、「閉店はライセンス契約満了に伴うもの」と説明する。「あくまでもAKグループとの契約終了に伴うビジネス判断からです。今回は離れましたが、AKグループとは今でも友好な関係を保っています」とのこと。AKグループ側からも似たような説明が返ってきた。

しかし、外食業界に詳しい韓国の記者はこう解説する。「外国の有名ブランド店と契約した際、その味を保つことは大前提ですが、ほかにもそのブランド店らしさを保つために店舗デザインからインテリア、スタッフの教育まで相当な経費がかかります。一風堂も人気はありましたが、(AKグループ側にとって)ライセンス料がやはり相当負担になったと言われています。その分利益が出ていたかというとそうではなかったようで、ブランド価格を押してまでの経営には至らなかったというのが大筋の見方です」

・ソウルの店には魂が感じられなかった

これはなにも一風堂だけではない。韓国で展開する日本の某チェーン店も、スタッフ教育など人件費のレイバーコストなどがかさんでいるものの、それに見合った利益は上がらず、店舗数を減らしたりしている。「いつ畳んでもおかしくない」とささやかれている。

九州に行けば必ず一風堂のラーメンを食べ、時間ができれば日本に行き、日本の味を探索する日本通として、また、韓国随一のイタリアンシェフとしてその名を知られる朴チャンイル氏は、一風堂の閉店は意外ではなかったと話す。

「私は一風堂のラーメンが好きで福岡には15年くらい前から通っていますが、ソウルの店には日本の一風堂にある匠の精神、アニマ=魂が感じられなかった。味はね、悪くなかったんですよ。でも、店のインテリアは凝っていて洗練されているんだけれども、一風堂らしさがなくて、そのせいか味も違うように感じられてね。なんとなく寂しかったですよ。残念です」

>>2以降に続く)

菅野 朋子 :ノンフィクションライター

東洋経済オンライン 2016年05月14日
http://toyokeizai.net/articles/-/117659

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