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(イメージです。)


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:2016/05/24(火) 03:38:43.88 ID:
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160523/frn1605231851009-n1.htm

数十年前の肉が平然と市場に出回る中国。衛生当局の杜撰な管理、賄賂の横行により、腐肉や偽装肉の流通は野放しのままだ。習近平国家主席もお手上げの中国“毒食品”事情を、ジャーナリスト・奥窪優木氏が追う。
 
中国の食卓を「キョンシー肉」が脅かしている。

キョンシー肉とは、冷凍されてから数年~数十年が経過した肉のこと。昨年6月、中国の税関当局が冷凍肉の密輸業者を摘発したところ、1970~1980年代に生産された豚肉や鶏肉が中国国内に流通していることがわかった。

問題の肉は、ブラジルやインドなどで廃棄された現物を中国の業者がタダ同然で引き取り、香港やベトナムに出荷。そこから陸路、中国国内に輸送され、地方都市の飲食店やスーパーに並んでいた。運搬中に冷凍と解凍を繰り返した肉の一部は変色し、猛烈な悪臭を放ったという。

さすがに数十年前の肉は多くないが、“3~5年モノ”ならば中国国内で今も流通している。肉の値段が不安定な中国では安い時期に肉を大量に仕入れて冷凍し、値上がりしたら売りに出す業者が跋扈しているのだ。

中でも牛肉などの高価な肉は一般庶民が食べ慣れないうえ、味が濃い中華料理では古い肉でも発覚しにくい。かつ、利ザヤが大きいので業者の「投機対象」となり、3~5年前の冷凍肉の流通はザラという。

最近では、明らかに冷凍焼けしたキョンシー肉に『乾熟成肉』という札をつけ、「ドライエイジだ」と自慢する業者も出現した。

広東省で飲食店を経営する日本人によれば、中国の飲食店には「この肉を使いませんか」という“飛び込み営業”が多い。破格の安さのため、出所不明の肉を使う飲食店が多いという。

キョンシー肉に次いで中国の人々に衝撃を与えたのが「ピクピク肉」だ。

昨年6月、山東省済寧市に住む主婦が購入した牛肉の塊を包丁で切ろうとした瞬間、肉が勝手に動いたとして大騒ぎになった。ネットの映像を見ると、確かに肉片がピクッピクッと動いて気味が悪い。

地元衛生局は「動くのは末梢神経が生きているから。肉が新鮮な証拠だ」と主張したが、購入から丸1日経っても肉は動いていた。動画は途中で終わっているため確認できないが、「寄生虫としか考えられない」と指摘されている。

実際、広東省で貿易を営む日本人は、「近所の市場で購入した牛肉を切ったら、血管の断面から白い寄生虫がウジャウジャ出てきた。以来、牛肉を食べられなくなった」と証言する。

今年1月には、10年以上も豚の生肉を食べ続けた女性が原因不明の痛みに侵され、病院でCTスキャンをしたところ、全身から無数の寄生虫が見つかったと中国メディアが報じた(豚を生で食べるほうも悪いが……)。

ネズミ肉やキツネ肉を羊肉に偽装したり、大量の有毒物質を食品に利用するなどの事件も相次いでいる。衛生当局による管理も杜撰で、業者の悪行は賄賂で簡単に見逃される。

キョンシー肉は中国国内で餃子やコロッケなどの加工冷凍食品となり、日本国内で流通している可能性がある。毒食品の蔓延は日本にとっても対岸の火事ではない。

●おくくぼ・ゆき/1980年愛媛県生まれ。
上智大学経済学部卒業。2004年に渡米。ニューヨークの出版社・新聞社での勤務を経て帰国。2007年から1年間滞在した中国では、社会問題を中心に取材を行う。2008年に再帰国後は、週刊誌や月刊誌を中心に活動。『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社)など著書多数。

※SAPIO2016年6月号