167165[1] 
(イメージです。)


1
:2016/06/28(火) 12:23:10.71 ID:
 成長が鈍化しつつある中国でも、そこは人口約14億人を誇る大国、電力需要は底知れない。その旺盛なエネルギー消費を支えているのが原子力発電所だが、体制批判が許されない同国ではほとんどの事故が隠蔽される。かの地の危うき原発事情を2回にわたってリポートする。

 中国広東省で新たに建設されている原子力発電所に対し、隣接する香港で不安が高まっている。

 問題とされているのは、同省台山市に中国国有の中国広核集団とフランス電力の合弁で建設中の台山原発だ。

 すでに完成している2機の原子炉は、アレバNP、フランス電力、シーメンスが共同開発したEPR(欧州加圧水型炉)と呼ばれる第3世代モデルだ。これから安全検査に入り、営業運転は数年後になるとみられていた。

 ところが、香港の独立系通信社『ファクトワイヤ』(1日付)が同原発建設に携わるフランス人技術者の証言として伝えたところでは、最低2年を費やすべき安全検査を中国側が1年で済ませ、来年中にも稼働させるよう現場に要請しているというのだ。

 またこのEPRは、昨年4月にアレバNPが行った圧力試験で、屋根と底の部分に脆弱性が見つかり、採用を決めていたフィンランドとフランスの原発建設計画が中断しているいわくつきの原子炉なのである。

 体制批判が許されない中国では原発政策に関わる言論の統制は特に厳しく、中国国内ではこうした事実は報道すらされず、地元の台山市でも市民らによる反対の声は大々的には上がっていない。しかし、同原発からわずか約130キロの距離にあり、さらに偏西風の風下に位置する香港では、市民団体による反対運動が行われている。

 中国の原発に対する香港市民の不信感は、根強い。香港と隣接する広東省深●(=土へんに川)市ではすでに、大亜湾原発と嶺澳原発の2つが稼働しているが、たびたび人為的なヒヤリ・ハットを起こしているのだ。

 2010年6月、香港メディアが大亜湾原発で、放射性ヨードと放射性ガスの漏えい事故が発生していたと報じた。これを受け、同原発から電力の供給を受けている香港の中華電力(CLP)は、「燃料棒から微量の放射性物質が漏れたが、外部への影響はない」とする声明文を発表。報道内容の一部を認めた。
ところが大亜湾原発側は翌日、「漏洩事故は発生していない」と発表。矛盾する2つの声明に、中国の原発への不安と不信感が決定的となったのだった。

 同原発はその直後の10月にも作業員が2ミリシーベルトの放射線にさらされる事故を起こしたが、公表されたのは3週間後のことだった。嶺澳原発でも12年1月、3号機が古いデータのまま稼働されていることが判明。原発側は「すぐにデータの更新を行い放射性物質漏れは起きていない」と説明したが、重大事故に繋がる危険性もあったとみられる。

 今年に入っても両原発で、エビの侵入のために冷却用の給水ポンプが詰まるという不具合のほか、“レベル0”とはいえ複数のヒヤリ・ハットが発生しているのだ。

 両原発で、相次いで事故が報告される理由について、広東省地方紙の記者はこう話す。

 「両原発には、香港の電力会社が関わっていることや、香港のメディアや市民団体が目を光らせているために、事故が発生したときは公表せざるをえないから。それ以外の中国の原発は、事故が起きても隠匿されているだけ」

 中国原発の本当の恐怖は、まったくもって計り知れない。

 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県生まれ。上智大経済学部卒。2004年に渡米、出版社・新聞社勤務を経てフリーに。07年から中国・広州で取材活動を開始。08年に帰国し、中国の社会問題を週刊誌などで執筆中。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社)、『中華バカ事件簿』(同)。『激ヤバ国家 中国の正体!』(宝島社)など。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160628/frn1606281140001-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160628/frn1606281140001-n2.htm