1:2016/07/12(火) 23:26:15.91 ID:
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6月13日、中国・北京で開かれた歓迎式典に参加するドイツのメルケル首相(左)と李克強首相(ロイター)
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6月13日、中国・北京で開かれた共同記者会見に臨むドイツのメルケル首相(左)と李克強首相(ロイター)

 ドイツのメルケル首相が6月中旬、10年余りの在任期間で9回目となる中国訪問を行った。今回は経済関係などを配慮して対中国批判に抑制してきた従来と趣きが異なり、南シナ海や経済、人権といった問題をめぐり、穏やかながらも厳しい姿勢が目立った。中国が国際社会との摩擦を強める中、“蜜月”関係からの修正を図っているようだ。

 6月12~14日に行われた訪中は両国の定期的な政府間協議の開催が目的で、メルケル氏にはショイブレ財務相ら6閣僚が同行。独企業代表団も加わり、総額約27億ユーロ(約3100億円)に上る計24件の経済協力などに合意した。

 ドイツに限らず、欧州諸国と中国の首脳会談では巨額商談に焦点が当たることが多い。ただ、今回、独メディアが着目したのはメルケル氏と中国の李克強首相による共同記者会見のやりとりだった。

 「メルケル氏に代って答えたつもりだが、気を悪くしないでほしい」(李氏)

 「気は悪くしていない。でも、あえて付け加える」(メルケル氏)

 独政府側の説明では、こんな発言もあった。

 「あたなは1問目に答える…」(李氏)

 「2つとも私への質問だと思ったが、どっちでもいい。私は言いたいことを話すだけ」(メルケル氏)

 いずれも記者の質問への対応をめぐる両首相の綱引きだ。内容は南シナ海や中国市場のアクセス制限、世界貿易機関(WTO)協定上の「市場経済国」認定など独中間で繊細な問題。発言を遮るかのような李氏をメルケル氏が抑えた。

◇ ◇

 回答ではメルケル氏はまず、過去の中国の発展などをたたえ、国際社会への一段の貢献に期待を表明。その上で12日に仲裁裁判所の裁定が下る南シナ海問題を念頭に紛争回避を目指す考えは「共有している」としつつ、当事国による2国間解決を主張する中国と国際司法の判断の尊重を促す独側には「見解の相違がある」とした。

 市場開放の問題では中国企業による世界有数の独産業ロボット企業の買収計画を踏まえ、「互恵を期待する」と中国がよく用いる表現で牽制した。市場経済国認定では「貿易戦争」もちらつかせる李氏に対し、可否を検討する欧州連合(EU)側に意向を伝えるとする一方、「感情的」になるのを控えて「客観的、専門的」な見地で判断する重要性を強調した。

 どれも中国を強く批判したわけではなく、メルケル氏は「さらに話し合う」などと語り、対話を続ける意向を示したが、両首相の“溝”は明らかだった。独メディアは中国の体面を傷つけないように礼儀を保つ一方、主張は通したメルケル氏の言葉を「のし紙を付けた批判」(南ドイツ新聞)と解説した。

◇ ◇

 メルケル氏は就任後、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世とも会談したが、中国の反発を受けて以降、人権問題などへの批判を抑制。経済関係への配慮のためとされ、2013年の中国製太陽光パネルの不当廉売問題ではEUの反ダンピング関税導入の回避に動いた。中国もEUへの影響力確保に欧州の“盟主”との関係を利用した。

 だが、今回の訪中で浮き彫りになったのは、独側が中国と距離を置きつつある姿勢だ。南シナ海に関しては、その不安定化の影響が貿易大国のドイツにも大きいとの危機感のほか、アジアインフラ投資銀行(AIIB)で対応が割れた米国との協調を示す必要があったとの見方も出ている。

http://www.sankei.com/premium/news/160712/prm1607120003-n1.html

>>2以降に続く)