1:2016/08/01(月) 19:02:52.51 ID:
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上海の極楽湯は大賑わい。入館に3時間もかかることが少なくない

 スーパー銭湯をチェーン展開する「極楽湯」が中国で快進撃を続けている。海外初進出先の上海2店舗で入館者が年間計100万人を超え、9月にも湖北省武漢に3店目を出店する。

 同社の新川隆丈社長は、中国本土で10年以内にフランチャイズも含め100店舗にする強気の方針を明らかにしている。成長鈍化が続き、外国資本が相次ぎ撤退する中国ながら、スーパー銭湯が好調なのはなぜか。

 湯船にゆっくりつかる生活習慣のなかった中国。だが、上海市浦東新区に位置する極楽湯海外1号店の碧雲温泉館で館長を務める馬場保幸氏によれば、爆買い目的で訪日した観光客が日本の温泉文化に触れ、口コミやネットで評判を広げたことが大きいという。スーパー銭湯を中国にも作った極楽湯が、にわかに注目されるようになった。

 入館料は大人138元(約2200円)と日本の700円程度に比べて3倍以上もする。それでも上海の直営2店舗は、春節(旧正月)前後など冬のピーク時に1日でそれぞれ4000人以上が押しかけ、入館まで3時間待ちという人気ぶりに。20代や30代の女性客が最も多い。

 上海の日本総領事館で7日に行われた極楽湯のイベントに参加した上海出身の陳●(=衣へんに壇のつくり)香さん(36)は「日本文化が好きで極楽湯にも何度か行きましたが、館内が清潔で日本の管理が行き届いている」と笑顔をみせた。イベントには極楽湯とタイアップした群馬県のゆるキャラ「ぐんまちゃん」も登場。草津や伊香保などの名湯を観光PRした。

 3年前に海外1号店がオープンした上海では、岩盤浴やサウナ、露天風呂なども楽しめるほか、床面積が1万平方メートル前後と日本の店舗の約6倍。ネイルサロンやマージャン室に加え、子供たちの遊ぶスペース、化粧品や小物、浴衣などの衣類、日本のアニメ関連商品の販売コーナーなど、「総合的なエンターテインメント施設を備えたテーマパーク」(馬場氏)になっている。このため入館者の滞在時間は平均で5時間にもおよぶ。

 ただ、中国でスーパー銭湯を成功させるまでには苦労が絶えなかった。まず水質の問題。中国大陸ではミネラル成分の多い硬水ばかりで、なめらかな感覚のある日本の軟水のお湯とはほど遠い。このため、極楽湯では硬水を軟水に変える特殊な濾(ろ)過(か)装置を日本から直接導入した。

 また、湯船に入ったことのない従業員や入館者に、掛け湯の仕方やタオルを湯につけないなど、湯船を汚さぬ公衆ルールを説明するところから始めた。

 それでも日本式スーパー銭湯の文化を中国に急速に広げつつある極楽湯の展開は、日本企業の対中進出スタイルの転換を示す重要な事例になりそうだ。

 輸出不振や過剰生産などで不振が続く製造業に代わって、可処分所得の増大により、個人消費に照準を当てたサービス業が中国経済の新たな成長エンジンに育ち始めたからだ。国内総生産(GDP)統計や貿易統計などは、製造業が要素として大きい。サービス業の成長は統計には反映されにくい面がある。

 日本的な意匠をこらした「More Japan」をコンセプトに、あくまで日本企業を前面に押し出し、サービス業で中国市場を開拓する極楽湯。直営店となる武漢の3号店以降の成否にも、注目していきたい。
 
(上海 河崎真澄、写真も)
 
http://www.sankei.com/premium/news/160801/prm1608010001-n1.html
http://www.sankei.com/premium/news/160801/prm1608010001-n2.html
http://www.sankei.com/premium/news/160801/prm1608010001-n3.html