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東シナ海上空から臨む尖閣諸島。手前から南小島、北小島、魚釣島=平成23年10月13日(鈴木健児撮影)
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首相官邸で開かれた総合海洋政策本部の会合。右から2人目があいさつする安倍晋三首相=7月26日午前
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沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に初めて侵入した中国海軍の艦艇と同型のフリゲート艦(防衛省提供)

 日本は、北海道、本州、四国、九州、沖縄を含む約6800の島で構成され、外洋に多くの離島を有する。管轄海域は国土面積の12倍にも及ぶ。このうち有人離島は約400島あり、残りはすべて無人離島だ。中でも排他的経済水域(EEZ)の根拠となる離島の保全強化は、海洋上の安全保障を堅持する上で最も重要な課題となっている。

 政府が中国の海洋進出を念頭に離島の保全管理に力を入れ始めている。

 国の行政機関の設置や土地の買い取りを推進することを盛り込んだ「離島の保全・管理のあり方に関する基本方針」を策定。過疎化が進む離島の環境整備を図って住民の定住を促して、領土・領海の保全につなげる考えだ。

 「海洋国家であるわが国は、管轄海域の根拠となる離島の保全、管理を図っていかなければならない」。安倍晋三首相は7月26日、官邸で開かれた総合海洋政策本部の会合でこう述べ、関係閣僚に住民の継続的な居住が可能となる具体策を講じるよう指示した。

 政府が定めた新たな基本方針には、国の行政機関の施設の設置に努める▽土地の買い取りに努める▽港湾の整備に努める▽外国船舶による不法入国の違法行為の防止に努める-などが盛り込まれた。

 国が土地の買い取りを推進することを盛り込んだのは、過去に長崎県対馬で、島の不動産が続々と韓国資本に買い占められたことが教訓になっている。

 対馬では当時、リゾートホテルや民宿、自衛隊の基地の隣にまで土地を買収され、国民が気づかない間に領土保全にかかわる深刻な事態にさらされた苦い経験がある。こうしたことから今回、土地買収を主要事項として明記することとなった。

 このほか、離島は運賃や物流コストが高いため、交通手段となるフェリーなどの運賃の低廉化や、安定的な漁業経営の確保なども新たに加え、離島の地域社会を維持を目指す。

 一連の離島の保全強化策は、領土・領海をめぐる中国の活発な海洋進出が背景にある。

 日本政府による平成24年9月の尖閣諸島国有化以降、中国公船の領海や接続水域への侵入は常態化しているが、今年6月9日には、中国海軍の軍艦が初めて接続水域に入域する事態に発展した。
東シナ海における中国の挑発行動は現在も続いており、政府は米国と連携を図るなどして警戒を強めている。

 中国は南シナ海でも、スプラトリー(中国名・南沙)諸島で軍事拠点化を進めるなど、その傍若無人な振る舞いによって周辺国と対立を深めている。7月12日にオランダ・ハーグ仲裁裁判所が、南シナ海における中国の主張や行動は国連海洋法条約違反だとするフィリピン政府の主張を認めたものの、中国の元外交トップが「紙くず」と強弁するなど、裁定を受け入れる気配はない。

 こうした顕在化する海洋における脅威に対応するため、政府は離島保全の基本方針に加えて、海洋活動を衛星などで監視する「海洋状況把握(MDA)」の能力強化を図り、海洋情報を集約、共有、提供のための「海洋状況表示システム」を整備することも決めた。

 MDAは、平成13年のアメリカ同時多発テロ事件を契機に米国で検討が開始され、欧米諸国で取り組みが先行。海上保安庁が同システムを整備・運用し、29年度から整備を始める予定で、今後MDAを活用した米軍との連携も検討して、監視の目をさらに光らせる方針だ。
 
(政治部 広池慶一)
http://www.sankei.com/premium/news/160807/prm1608070025-n1.html