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:2016/08/06(土) 20:58:28.23 ID:
難民認定を求める裁判の準備を進めていたスリランカ人の男性が、強制送還されたことによって裁判を受ける権利を奪われたとして、近く国に対し、損害賠償を求める訴えを起こすことになりました。難民認定を巡り、裁判を受ける権利の侵害を訴える裁判は、全国で初めてだということです。

訴えを起こすのは三重県に住んでいたスリランカ人の30代の男性で、6年前に不法滞在していたとして国外退去を命じられましたが、「国に戻れば、政治的な迫害を受け生命の危険がある」などとして、難民認定の申請を行いました。

日本の難民認定制度では、申請が認められなかった場合には半年間、処分の取り消しを求めて裁判を起こすことが認められていて、男性も裁判の準備を進めていましたが、おととし12月、「不認定」とされ、その翌日に強制送還されたということです。

男性は「強制送還によって裁判を受けられなくなり、権利を奪われた」として、来月上旬にも国に対し、300万円余りの損害賠償を求める訴えを名古屋地方裁判所に起こすことになりました。

入国管理局によりますと、難民認定を巡り、裁判を受ける権利の侵害を訴える裁判は、全国で初めてだということです。

入国管理局はNHKの取材に対し、「個別の事柄には答えられないが、法律に基づいて、適切に対応している」としています。

◆原告のスリランカ人の男性は

訴えを起こすスリランカ人の男性は、11年前に来日しましたが、6年前、三重県内で在留期間を過ぎて不法滞在していたところを入国管理局に摘発されました。

男性は「スリランカで行われた選挙で、政党の党員であることを理由に対立政党から脅迫され、命の危険を感じていた」として難民認定の申請を行いましたが、おととし12月、「党員だった証拠はない」などとして「不認定」となり、翌朝、スリランカに強制送還されました。

男性はNHKの電話取材に対し、「入国管理局から6か月の間に裁判を始めないといけないと説明を受けたが、そのあとで、これから空港に行くから準備してくれと言われた。裁判を起こしたかった。裁判は私の権利のはずだが、入国管理局は無理やりに送還した」と話しています。

◆専門家「難民政策に影響与える可能性も」

難民問題に詳しい立教大学の長有紀枝教授は今回の訴えについて、「難民は、みずからの境遇を証明するものを持たずに逃げてくることがほとんどだ。制度を悪用する者が多く存在するのも事実だが、難民の申請者にとっては裁判を受ける権利は非常に大切なものだ。今回の裁判は今後の日本の難民政策にも大きな影響を与える可能性がある」と指摘しています。

◆難民認定申請が急増

難民認定の申請者は、東南アジアや南アジアの出身者を中心に急増していて、去年は7586人と過去最多となりました。特にスリランカ人による難民認定の申請は、469人と、5年前の2.7倍となっています。

難民認定の申請者は、申請から審査の結果が出るまでの一時的な措置として在留が許可され、申請から半年がたてば、就労の資格が与えられることになっています。

申請は何度でも繰り返し行うことができるほか、申請中は国外退去を命じられても、強制送還されないことなどから、明らかに難民に該当しないにもかかわらず、就労目的で申請を繰り返すケースが相次いでいて、入国管理局では悪質なものについては就労を認めないなど制度の運用を厳格化して対応をしています。

その一方で、去年、難民として認められた外国人はアフガニスタン人やシリア人など27人にとどまっていて、難民申請者の支援団体などからは「欧米と比べて難民認定の基準が厳しすぎる」といった批判もでています。

◆裁判で不認定の取り消しも

難民認定の審査の結果、「不認定」されたあと、裁判を起こすことによって原告の主張が認められたケースもあります。入国管理局によりますと、難民認定を申請し「不認定」となった外国人が処分の取り消しなどを求めて起こした裁判は去年までの5年間で、217件に上っています。一方、裁判で原告の主張が認められ、処分が取り消されるなどしたケースは5年間で11件あったということです。
 
NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160731/k10010615361000.html