don-1264858_640_201608312149212eb.jpg 
(イメージです。)


1
:2016/08/31(水) 20:46:22.54 ID:
 8月27日、ソウルで日韓財務対話が開かれた。最大のテーマは、いざという際に外貨を融通し合う「通貨スワップ」の復活だが、麻生太郎財務相は事前にハッキリした原則を打ち出している。「向こうから話が出れば、検討する」というものだ。それにしても、なぜ今ごろ通貨スワップの話が出ているのだろうか。

 いうまでもない。中国経済に大きく依存している韓国にとって、中国の景気減速は最大のリスク。韓国の輸出は全体でも19カ月連続で減少しているが、なかでもきついのは対中輸出の落ち込みだ。中国の減速は一蓮托生どころか、ダメージが「倍返し」「3倍返し」で増幅されかねない。韓国の金融・株式市場からの外国資金の流出に脆い体質は変わっていない。いざという時の備え(外貨準備)が心もとないから、日本の懐を当てにしだしたのだ。

 データを確認しよう。中国は韓国にとり貿易総額で第1位の貿易相手国。2003年に対日貿易額を、2004年に対米貿易額を上回り、2015年は約2274億ドルで、韓国の貿易額全体の約25%を占める。同年の対中輸出の割合は26.0%、対中輸入の割合は20.7%。米韓自由貿易協定(FTA)のお陰で米国向け輸出も増えているが、中国との関係は抜き差しならないところまで来ている。

 その対中輸出が2016年7月まで13カ月連続減と、不振を極めているのだ。7月の対中輸出額を見ても前年同月比9.4%減の101億ドル強と、2ケタ近い減少となっている。これまでの連続減少記録は、リーマン・ショック後の2008年10月から09年8月の11カ月だった。栄えあるリーマン越えを達成した対中輸出減の連続記録は、今の勢いからすると大幅な更新が見込まれる。

・ソッポを向かれる韓国製品

 韓国の対中輸出1位の品目の半導体は、前年比14.3%減少した。 輸出2位のフラットディスプレイ・センサーの落ち込みは19.4%減とさらに大きく、無線通信機器も9.8%減といった具合だ。韓国の得意とする電子部品関連が総崩れなのだ。単に中国景気が減速しているばかりではない。韓国製品がソッポを向かれている。韓国紙『中央日報』(6月29日)はこんな風景を伝える。

 ▼韓国電子業界の中国での実績は良くない。サムスン電子の昨年の中国での売上高は約30兆ウォン(約3兆円)と、2年前(約40兆ウォン)に比べ10兆ウォン減った。LG電子も同様だ。

 ▼北京市内や中国のテレビで、サムスンギャラクシー(スマートフォン)以外に韓国ブランドの広告はあまり見えない。総合家電販売店でもサムスンやLGの製品の売り場面積は毎年減っている。

 ▼サムスンやLG電子は「中国企業の低価格攻勢、中国政府による自国企業優遇」を言い訳とするが、オランダのフィリップスのように成功事例は存在する。中国企業が価格攻勢だけという話も正しくない。

・輸出戦略の蹉跌

 主力とする電子製品・電子部品ばかりでない。鳴り物入りで始まった食品輸出でも、こんな出来事が起きている。再び『中央日報』(8月24日)によろう。6月に参鶏湯(サムゲタン)の中国向け輸出が始まった。鶏肉と高麗人参などを煮込んだ韓国自慢の料理なのだが、輸出量は開始後2カ月余りで25万ドル(約2504万円)にとどまった。

 参鶏湯は中華料理由来の韓国料理。韓国でこれだけ人気なのだからと思ったからだろう。「中国人の好みと食習慣を十分に考慮していない」仕立てだった。800グラム入りのレトルト1パック当たりの高麗人参含有量は6~10グラムの韓国国内向けと違い、中国輸出用は3グラムにすぎない。これでは、参鶏湯の味をしっかりと出すのが難しい。

>>2以降に続く)

青柳尚志

新潮社フォーサイト 2016年8月31日
http://www.fsight.jp/articles/-/41502