1:2016/09/04(日) 06:42:02.18 ID:
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 先月31日午後4時50分ごろ、ソウル郊外・京畿道軍浦市の山本駅近くにあるカフェにみすぼらしい身なりの高齢の男が飛び込んできた。男は店内に座っていた男女に近づき、言葉をかけると、いきなりカッターナイフを取り出して振り回した。座っていた男性(77)はあごと首の間を切られ重傷を負い、止めようとした女性(63)は刃で腕を切った。警察によると、いずれも命に別条はないという。

 カッターナイフを振り回した男は80歳だった。警察の調べに対し「コーラテック(アルコールなしのディスコ)でダンスしていたときに(被害者の男性に)足を踏まれ、けがをしたことがあったため、謝罪と治療費を要求しようとした。脅かすだけのつもりだったが、衝動的に刃物を振り回してしまった」と供述した。被害に遭った女性ともコーラテックで知り合い、顔見知りの間柄だったという。軍浦警察署は1日、特殊傷害の容疑で男の逮捕状を請求する方針だと明らかにした。

 急速な高齢化に伴い、韓国で60歳以上の犯罪者増加が社会問題に浮上している。かつては主に犯罪の被害者となることが多かった年齢層だが、その一部が加害者に変わっているのだ。警察庁によると、2014年に立件された容疑者171万2435人のうち、61歳以上は15万902人で8.8%を占めた。09年には、61歳以上が容疑者全体に占める割合は5.7%だった。

 刑務所の入所受刑者の高齢化も、急速に進んでいる。法務部(省に相当)によると、昨年末現在の受刑者のうち、60代以上が占める割合は約9.5%だった。05年(3.1%)に比べ、10年で3倍以上に拡大したことになる。

 60代以上の高齢者による殺人や放火などの凶悪犯罪も大幅に増えている。ソウル市永登浦区の療養型病院では昨年11月、暴言を吐かれたという理由で男(71)が寝たきりの80代男性を果物ナイフで刺して殺害する事件が起きた。同月には、裁判所の明け渡し命令で自宅を追い出されたことに腹を立てた男(83)が、ソウル中央地裁の庁舎に放火する事件も発生した。

 警察によると、61歳以上の凶悪犯罪容疑者は09年の680人から14年には1869人と、5年で3倍近くに増えた。凶悪犯罪容疑者全体に占める割合も、同期間に3.2%から7.5%へ大きく拡大した。

 専門家らは、韓国よりも高齢化が急速に進んだ日本では、すでにこの問題が議論になっていると指摘し、韓国も備えるべきだと警鐘を鳴らす。日本の作家、藤原智美氏は著書「暴走老人!」で高齢者の犯罪問題を取り上げている。韓国でも14年に出版された同書で、藤原氏は「老人たちが暴走しているのは急激な社会変化に適応できていないため」だとし「現代社会への不適応と孤独な人生を伝えようとする絶叫が、荒っぽいやり方で表現されている」と指摘した。

 韓国・警察大学の治安政策研究所は今年初めに発表した資料で、今年の犯罪発生件数は減少するものの、60代以上による犯罪は逆に増加するとの見通しを示した。東国大学警察行政学科のクァク・テギョン教授は「高齢者の犯罪は貧困や相対的はく奪感による心理的不安、反感などが原因の場合が多い」と分析。その上で「『暴走老人』問題を食い止めるには高齢者自身の努力も大切だが、彼らを社会の一員として認め、心を通わせる姿勢がさらに重要だ」と指摘した。

ユン・ヒョンジュン記者

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