1:2016/09/05(月) 12:15:12.98 ID:
 理解していない人、あるいは理解「できない」人が多いのだが、経済とは「誰かの負債」の膨張なしでは成長できない。理由は、経済成長とは消費や投資という「支出の合計」であるGDP(国内総生産)の拡大を意味しているためだ。

 誰もかれもが貯蓄を増やし、負債を減らすのでは、確実に消費・投資という支出が減る。結果的に、GDPは成長しない。

 資本主義経済において、負債(借入)を増やし、投資をすることで経済成長を牽引するべき存在は、もちろん「企業」である。ところが、現在の日本は企業までもが負債を減らし、内部留保(貯蓄)を貯め込んでいるため、経済成長が抑制されている。

 企業が貯蓄を増やす環境下で、誰が負債を増やし、経済を下支えしているかといえば、実は政府である。日本は徴税権や通貨発行権という強権を持つ政府が負債を増やし(不十分だが)、企業の貯蓄率上昇をカバーし、何とか国民経済を成り立たせている。

 企業でも、政府でもない存在、すなわち家計は、最も脆弱(ぜいじゃく)な経済主体だ。「寿命」がある家計は、基本的には貯蓄を増やし続けるのが、普通の国民経済だ。

 ところが、現在の韓国は最も脆弱なはずの家計が負債を増やし、経済を支えている。韓国の家計の負債は2015年末時点で1207兆ウォン(約110兆9800億円)に達し、過去1年間で122兆ウォン(約11兆2100億円)も急増した。15年10-12月の四半期だけで、41兆1000億ウォン(約3兆7800億円)も増えたのだ。

 15年、および15年10-12月期の韓国の家計の負債増加幅は、同国が家計信用統計を発表し始めた02年10-12月期以来、最大である。韓国の人口は約5061万7000人であるため、国民1人当たり約2400万ウォン(約220万円)の負債を抱えている計算になる。

 しかも、増え方のペースが半端ない。

 韓国の家計は、毎年10%超というハイペースで負債を増やしていっている。現在のペースが継続すると、韓国の家計の負債は7年間で倍増してしまうことになる。

 韓国の家計の負債が増えている理由は、住宅担保貸付の急増だ。韓国は最も脆弱な家計の不動産向け貸付により、何とか国民経済を下支えしている状況なのだ。

 実は、リーマン・ショック前の米国、あるいは不動産バブル崩壊前の英国も、家計の負債が拡大していた。とはいえ、不動産価格急落を受け、家計の負債は縮小に転じ、経済は急収縮した。韓国の家計の負債の急増は、将来的な経済縮小に向けた時限爆弾なのである。

 ■三橋貴明(みつはし・たかあき) 1969年、熊本県生まれ。経済評論家、中小企業診断士。大学卒業後、外資系IT業界数社に勤務。現在は「経世論研究所」所長。著書に『2016年 中国・ユーロ同時破綻で瓦解する世界経済 勝ち抜ける日本』(徳間書店)、『第4次産業革命 日本が世界をリードする』(同)など多数。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160905/frn1609051140001-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160905/frn1609051140001-n2.htm
73942465.jpg