1: :2016/09/06(火) 22:47:25.59 ID:
ビスケット菓子の定番の「オレオ」と「リッツ」が日本で再デビューを果たした。製造・販売元がヤマザキ・ナビスコから米菓子大手モンデリーズ・インターナショナルに変わり、6日には新たなCMキャラクターが発表された。消費者にとっては、最も関心を呼びそうな違いが「原産国」かもしれない。新オレオは日本から中国に切り替わるのだ。
■CMキャラクターは女優から男優へ
モンデリーズ日本法人が6日に都内で開いた会見。同社の辺丙三社長はオレオとリッツの新商品を9月12日に発売すると発表した。
「得意先などに新商品やマーケティングプランを説明してきたが、非常に期待されていると感じた」
辺社長はこう胸を張ったが、発表された新商品のパッケージの概観は店頭で見慣れたデザインに見える。ビスケット菓子そのものも色や大きさががらっと変わったようには見えない。
そもそも、オレオやリッツは1970年代以降に日本で発売されて以来、消費者に長く支持されてきた商品だ。
それなのに、「新商品」と呼ぶには理由がある。
従来は山崎製パンの傘下のヤマザキ・ナビスコがモンデリーズとライセンス契約を結んで製造販売してきたが、8月に両社が契約を終了。ヤマザキ・ナビスコは「ヤマザキビスケット」に社名を変更し、再出発した。オレオやリッツは9月以降、モンデリーズが製造・販売を手掛ける体制に移っている。
モンデリーズはパートナーの山崎製パンとたもとを分かった後、オレオやリッツの日本再デビューに備えて着々と準備を進めてきた。6日のCMキャラクター発表会は、これからの商品イメージを左右する大事なイベントだった。
新オレオのCMキャラクターには、俳優の大森南朋さんを起用すると発表。リッツのCMには俳優の長谷川博己さんを登場させる。
ヤマザキ・ナビスコ時代は、オレオが後藤久美子さん、リッツが沢口靖子さんという人気女優をCMキャラクターを起用したことで知られるが、今回は一転、菓子のCMでは珍しい男性俳優をメインキャラクターに起用してイメージチェンジを図る。長年のオレオ、リッツのファンにとってCMから受ける印象は大きく変わりそうだが、それ以上に違いを感じる点があるだろう。
■中国産になる前に「買いだめ」
1つが味。モンデリーズはオレオとリッツについて日本で消費者テストを繰り返し、日本仕様に変更した。ビスケット事業を担当するマーケティング本部の森繁弘氏は、「当社は日本でも50年以上の歴史がある。(消費者のことを)深く理解しており、成功する自信がある」と話す。
そして、もう1つが「脱メード・イン・ジャパン」であることだ。ヤマザキ・ナビスコ時代はオレオやリッツを日本国内で生産していたが、モンデリーズはオレオを中国、リッツをインドネシアの工場で製造、日本国内に輸入して販売する。この点は、モンデリーズにとっては大きな賭けになるかもしれない。
「中国産になると聞いて、オレオを買いだめした」――。ヤマザキ・ナビスコがリッツやオレオの国内生産を終了した8月末前後からネット上には、こんな書き込みが並んだ。日本の消費者は「国内産」に対するこだわりが強く、とりわけ、「中国産」を敬遠するような消費者も少なくないのだ。
それは、モンデリーズも分かっている。辺社長は「グローバルネットワークをフルに使って、世界的な品質、安全基準、開発力を日本に導入したい」という。モンデリーズは世界中で事業を手掛け、品質管理は世界的に見ても厳格なことで知られる。また、他の国で成功したマーケティング手法など、グローバル企業としての強みを日本市場の攻略に生かせる利点もある。
オレオやリッツは日本でも長い歴史があり、ブランド力や知名度は抜群。それらは新オレオや新リッツの強みになる半面、今までの商品との微妙な違いを気にする消費者もいるだろう。根強いファンが多い日本だからこそ目配りしなければならない点が残っている。
(中尚子)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ06HM6_W6A900C1000000/
ビスケット菓子の定番の「オレオ」と「リッツ」が日本で再デビューを果たした。製造・販売元がヤマザキ・ナビスコから米菓子大手モンデリーズ・インターナショナルに変わり、6日には新たなCMキャラクターが発表された。消費者にとっては、最も関心を呼びそうな違いが「原産国」かもしれない。新オレオは日本から中国に切り替わるのだ。
■CMキャラクターは女優から男優へ
モンデリーズ日本法人が6日に都内で開いた会見。同社の辺丙三社長はオレオとリッツの新商品を9月12日に発売すると発表した。
「得意先などに新商品やマーケティングプランを説明してきたが、非常に期待されていると感じた」
辺社長はこう胸を張ったが、発表された新商品のパッケージの概観は店頭で見慣れたデザインに見える。ビスケット菓子そのものも色や大きさががらっと変わったようには見えない。
そもそも、オレオやリッツは1970年代以降に日本で発売されて以来、消費者に長く支持されてきた商品だ。
それなのに、「新商品」と呼ぶには理由がある。
従来は山崎製パンの傘下のヤマザキ・ナビスコがモンデリーズとライセンス契約を結んで製造販売してきたが、8月に両社が契約を終了。ヤマザキ・ナビスコは「ヤマザキビスケット」に社名を変更し、再出発した。オレオやリッツは9月以降、モンデリーズが製造・販売を手掛ける体制に移っている。
モンデリーズはパートナーの山崎製パンとたもとを分かった後、オレオやリッツの日本再デビューに備えて着々と準備を進めてきた。6日のCMキャラクター発表会は、これからの商品イメージを左右する大事なイベントだった。
新オレオのCMキャラクターには、俳優の大森南朋さんを起用すると発表。リッツのCMには俳優の長谷川博己さんを登場させる。
ヤマザキ・ナビスコ時代は、オレオが後藤久美子さん、リッツが沢口靖子さんという人気女優をCMキャラクターを起用したことで知られるが、今回は一転、菓子のCMでは珍しい男性俳優をメインキャラクターに起用してイメージチェンジを図る。長年のオレオ、リッツのファンにとってCMから受ける印象は大きく変わりそうだが、それ以上に違いを感じる点があるだろう。
■中国産になる前に「買いだめ」
1つが味。モンデリーズはオレオとリッツについて日本で消費者テストを繰り返し、日本仕様に変更した。ビスケット事業を担当するマーケティング本部の森繁弘氏は、「当社は日本でも50年以上の歴史がある。(消費者のことを)深く理解しており、成功する自信がある」と話す。
そして、もう1つが「脱メード・イン・ジャパン」であることだ。ヤマザキ・ナビスコ時代はオレオやリッツを日本国内で生産していたが、モンデリーズはオレオを中国、リッツをインドネシアの工場で製造、日本国内に輸入して販売する。この点は、モンデリーズにとっては大きな賭けになるかもしれない。
「中国産になると聞いて、オレオを買いだめした」――。ヤマザキ・ナビスコがリッツやオレオの国内生産を終了した8月末前後からネット上には、こんな書き込みが並んだ。日本の消費者は「国内産」に対するこだわりが強く、とりわけ、「中国産」を敬遠するような消費者も少なくないのだ。
それは、モンデリーズも分かっている。辺社長は「グローバルネットワークをフルに使って、世界的な品質、安全基準、開発力を日本に導入したい」という。モンデリーズは世界中で事業を手掛け、品質管理は世界的に見ても厳格なことで知られる。また、他の国で成功したマーケティング手法など、グローバル企業としての強みを日本市場の攻略に生かせる利点もある。
オレオやリッツは日本でも長い歴史があり、ブランド力や知名度は抜群。それらは新オレオや新リッツの強みになる半面、今までの商品との微妙な違いを気にする消費者もいるだろう。根強いファンが多い日本だからこそ目配りしなければならない点が残っている。
(中尚子)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ06HM6_W6A900C1000000/