1:2016/10/13(木) 22:26:46.19 ID:
b9aff18e.jpg
ソウル市内の携帯電話ショップ内に掲示されている韓国サムスン電子の新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」の販売停止を告げるディスプレー(AP)

 韓国サムスン電子は12日、新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」をめぐる損失の発生に伴い、2016年7~9月期の営業利益予想を従来の7.8兆ウォン(約7180億円)から5.2兆ウォンに下方修正すると発表した。また、49兆ウォンを見込んでいた売上高を47兆ウォンに引き下げた。巨大スマホ市場を形成する中国では早くもサムスン製のスマホ離れが加速しており、影響は尾を引きそうな気配だ。

 中国の消費者や政府系メディアはサムスンのリコールへの対処を非難しており、同社は深刻なイメージ問題に直面している。チャイナ・マーケット・リサーチグループ(CMR)のマネジングディレクター、ショーン・レイン氏(上海在勤)は「中国人はノート7も他のサムスン製電話も区別しない。現時点でサムスン製のどの電話も買わないだろう」と指摘する。

 これに対し、韓国の消費者は寛容だ。ソウルの携帯電話販売店では、何人もが今回の件がサムスンのイメージを損なうとの考えを一笑に付し、同社製品は購入選択肢の一つだと語る。自営業者のシン・ヨンスさん(50)は「これは国家の威信に関する問題だ」と主張。「韓国人として、国のことを考えてサムスンの電話を購入すべきだ」とし、サムスン支援に向けて同社の端末の購入を韓国の若者に呼び掛けていると語った。

 サービス業に従事するキム・ソンミン(38)さんは機能面でアップルのアイフォーンを好むとしながら、「ノート7問題がサムスンのブランド力を損なうとは思わない」と発言。「発火トラブルはほんの数台の問題だ。仮に私の手中で電話が発火しても、サムスンは私のために善処すると信じている。同ブランドを信頼している」と語った。

 アナリスト予測では最初のリコールのコストは10億~20億ドル(約1035億~2070億円)とみられるが、数字が今後増えることは確実だ。HMCインベストメント証券のアナリスト、グレッグ・ロウ氏は今回の下方修正について、「大幅な削減だ。サムスンは製造終了による販売面での損失だけでなく、販売業者のノート7の在庫やこの数カ月で購入した部品のコストも織り込んでいる」と分析する。

 シンガポール経営大学センター・フォー・マーケティング・エクセレンスのディレクター、スリニバス・レディ氏は「災難だ。サムスンにとっての脅威はどれだけ早く復活できるかだ。早期に復活しなければ、他社が入り込む余地を与えることになる」との懸念を示した。
 
(ブルームバーグ Yoolim Lee、Sohee Kim)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/161013/mcb1610130500023-n1.htm
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/161013/mcb1610130500023-n2.htm