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:2014/04/09(水)19:33:14 ID:
<本紙記者座談会> 韓日不信の連鎖どう断ち切るのか2014-04-09

(前略)

 韓日とも「国民世論」の力が大きくなり、それがお互いを刺激し合っている。政治指導者もコントロールするのが容易ではない。むしろ、国益・公益より自身の利益を優先してその種の「世論」に便乗する政治指導者がやたらと目立つ。

(中略)

 ワシントンで北韓担当の米政府特別代表、韓国の韓半島平和交渉本部長、日本の外務省アジア大洋州局長が北韓の中距離弾道ミサイルなど軍事挑発について意見交換し、3国の連携を再確認した。

日本側はまた、韓国が神経を使っている北韓と日本の政府間協議の内容についても報告している。何はともあれ情報交換や共通課題の確認を一つずつ積み上げていくことだ。政治家の心ない言説や「嫌韓」「反日」の「世論」によっても動じない外交実務者の意地を見せるべきだろう。

(中略)

 日本のメディアには「歴史戦争」「外交戦争」といった言葉が頻繁に登場し、右派論壇には「嫌韓・憎韓」の言説があふれている。日本の外交当局者の「韓国にはもううんざりだ」といった発言が右派論壇を勢いづかせてきたことも否定できない。「相手を敵視し続けるといずれは本当の敵になる」という段階を超えた印象すらある。

しかし、戦争は何も解決せず禍根を大量生産するだけであり、両国ともそんなことは望んでいないからには、いずれ関係修復を果たさねばならない。その戦略が世界からも注目されている。

(中略)

 産経新聞(3月31日付)に「月間ベストセラー1位、27万部突破。悪口ではありません、事実です」と大書した「呆韓論」の全面広告があった。「朝日新聞購読の読者はこう考える!」のコーナーでは、「朝日」や「毎日」を「日本の国益を損ねる新聞であることを痛感した」などとするコメントがならんだ。朝日新聞はこの間、韓日関係改善へ誠意ある動きを見せない安倍首相に批判的な姿勢を見せ、右派のすさまじい締め付け攻勢を受けている。

 その「朝日」が韓米日首脳会談に関する社説(3月27日付)で安倍首相に対し、「未来志向」というなら自身がまずその中身を示せと迫る一方で、朴大統領が会談直前にドイツ紙とのインタビューで歴史問題での安倍首相の姿勢を非難したことに触れ、「外に向かって言うよりも、お互いの目を見て語り合う。これが責任ある首脳の態度ではないだろうか」と指摘した。
「朝日」も韓国への苛立ちを隠していない。

(中略)

 話しが飛ぶようだが、新大久保のコリアタウンに人出が戻り始めたらしい。韓流ブームが10年を過ぎて下火になったこと以上に、在特会のヘイトスピーチ(憎悪表現)によって客足が落ち込んでいた。ここにきて、最悪期に比べれば3割ほど増えているという。

 この地域で在特会の街宣が禁止されたこともあるだろうが、そうなったことを含めて、在特会を圧倒する人数で対抗した「レイシストをしばき隊」など日本市民の果たした役割が何と言っても大きい。数人のグループによる「お散歩」と称した韓国商店への嫌がらせも「しばき隊」などの厳しいチェックにあって、すごすご逃げ帰る状態になっていた。

 「しばき隊」には、韓日関係云々よりレイシストを「日本の恥」として許せない思いが先にある。だが、反レイシストの動きは論壇や街宣で猛威をふるう右派のプロパガンダに比べれば小さな存在だとしても、大多数を占める良識ある日本人、韓日関係を心配しても発言できない日本人を代弁する行動派と見なしていい。

 韓国の政治指導者はよく、「日本の良心」勢力と連帯すると言ってきた。であれば、もう少し「日本の良心」を信頼し、そこに向かって熱心に語りかけるべきだ。全日本を対象にする原則論攻勢は「敵」を増やしかねない。

(後略)

(2014.4.9 民団新聞)

www.mindan.org/shinbun/news_view.php?page=26&category=4&newsid=18781