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(イメージです。)


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:2016/10/22(土) 06:31:56.00 ID:
人民元は形だけの国際通貨

10月1日、人民元がIMF(国際通貨基金)の定める準備通貨・SDR(特別引き出し権)のひとつとして採用された。これにより、人民元が「国際通貨」の仲間入りを果たす「お墨付き」を得たと報じるメディアがあるが、実はそう単純な話ではない。

この話のウラには、中国経済が抱える「重大問題」が隠されている。

そのことを理解するには、まず、人民元の動向は中国が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)の動きとセットであるということを押さえておく必要がある。

というのも、中国が目論むのは、AIIBを通じてアジア各国にインフラ投資の実績を残すこと。そして人民元をアジア各国に広め、国際金融市場で存在感を高めることで、人民元の国際通貨化を実現させようとしている。

そんな鳴り物入りで'15年にスタートしたAIIBだが、これまでの実績は4つの事業に対して融資額が5億900万ドル(約500億円)。これは国際金融機関としてはあまりに「少額」だ。

この程度の融資に留まっている原因は国の「信用力」にある。AIIBは、参加国から募った出資金と、国際金融市場で発行した債券で原資を調達し、貸し付けを行っている。

このとき最大の出資国である中国の信用力が反映されるが、それは日本などと比較すると依然として低い。そのため、AIIBの債券は国際金融機関としては異例の「格付けなし」の状態に陥っている。

だから、AIIBの貸出レートは、日米が後ろ盾になっているADB(アジア開発銀行)の貸出レートより1%も「割高」。アジア経済を支援するために設立された金融機関が、逆に余計な「負担」を掛けてしまっている。そんなことでは人民元をアジアに広げることすらままならないというわけだ。

しかも、仮にAIIBが軌道に乗っても、人民元が国際通貨になることは当面ないという点も強調しておきたい。その理由は、中国がいまだに「一党独裁体制」を取っているからに他ならない。

「自由化」へのジレンマ

そもそも国際通貨とは、国際取引や為替取引に使用される通貨のことで、ドル、ユーロ、ポンド、円などが国際通貨の扱いを受けてきた。

国際通貨として機能を果たすためには、(1)経済大国であること(2)発達した為替・金融資本市場を持つこと(3)対外取引の自由・透明性が確保できていることなどが条件になる。

人民元の場合、特に(2)為替・金融資本市場は未発達で、(3)対外取引自由には依然不透明な部分が残るなど、「経済的自由」に難がある。

しかも、この自由を制限しているのは、中国政府そのもの。為替の自由化は資本取引の自由化と背中合わせだが、これを進めるには、国有企業の抜本的な改革が必要だ。

ただし、もし国有企業が民営化すれば、今度は政党選択という「政治的自由」を国民は求める。そうなれば、今の一党独裁体制が揺らぐ可能性があるから、政府はこれ以上の自由化を渋っている。

そもそも中国がAIIBと人民元の国際通貨化を推し進めてきた背景には、中国の経済成長に停滞感が漂いはじめ、その打開策として外需を取り入れたい政府の目論見がある。経済面を考えれば自由化を進めていきたいが、そうもいかないのが中国の「実情」なのだ。

『週刊現代』2016年10月29日号より
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49965