1:2016/11/04(金) 22:30:11.24 ID:
 【ソウル=名村隆寛】
 
 友人の女性実業家、崔順実(チェ・スンシル)容疑者の逮捕を受け、自身も捜査を受け入れる意向を示した韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、一方で国政の空白を避けるため、現時点では辞任はしない構えだ。

 引き続き国政運営に当たる朴氏としては、崔容疑者がらみの疑惑で混乱し事実上、停止状態の国政を、与党セヌリ党が促す「挙国一致中立内閣」を設け、正常に戻したいところだ。だが、野党は朴氏の謝罪談話に反発し、朴氏の辞任や徹底捜査を要求している。

 韓国の大統領は内乱罪などを除き、在任中は訴追されない。だが、退任や弾劾後の起訴は可能だ。このため、辞任はしないが「捜査に応じる」という朴氏は、捜査を受けた上で2018年2月の任期満了後に訴追される可能性がある。

 世論の約55%は、挙国一致中立内閣の設置よりも、朴氏の辞任や弾劾を支持している。完全にレームダック(死に体)状態となったの朴氏にとって今、現実味があるのは弾劾訴追だ。

 韓国国会では、議員の過半数の賛成で大統領の弾劾訴追を発議し、3分の2以上の賛成で弾劾が決議され、大統領の職務は停止される。さらに、憲法裁判所の裁判官の3分の2(9人中6人)以上の賛成で弾劾は成立し、大統領は罷免され、訴追が可能となる。

 韓国大統領で過去、国会で弾劾の決議を受けたのは2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏だけだ。ただ、憲法裁が弾劾判決を出した前例はない。国会の過半数を野党が占め、与党セヌリ党内にも朴氏の離党を求める声が強い。四面楚歌の朴氏が弾劾議決される可能性もあり得る。

 韓国憲法によると、大統領が罷免され資格を失った場合、60日以内に後任大統領の選挙をしなければならない。このため、来年12月の大統領選挙が前倒し実施される可能性も否めない。

 弾劾決議による職務停止の間、大統領の権限は首相が代行する。新首相に旧野党系の金秉準(キム・ビョンジュン)氏を指名し、野党に配慮したはずの朴氏だが、逆に「独断的な人事だ」と批判は強い。弾劾以前に、朴氏はすでに職務停止に近い状態にある。

http://www.sankei.com/world/news/161104/wor1611040032-n1.html
http://www.sankei.com/world/news/161104/wor1611040032-n2.html
b99ef573.jpg
韓国の朴槿恵大統領の会見の中継に見入る市民=4日、ソウル駅(AP)