1: :2016/11/19(土) 07:01:54.32 ID:
<韓国の朴槿惠大統領とその友人チェ・スンシルによる国政介入疑惑は、先週末のソウルでの大規模デモの後、今週検察による現職大統領への取り調べで急展開するかに見えたが、一転して検察と大統領府の綱引きが続き、膠着状態に陥った。こうしたなか、週末には保守派と急進派それぞれが大規模なデモを予定している>
先週土曜日に、ソウル市中心部の光化門前広場を朴大統領退陣を求める大規模デモが埋め尽くしたとき、韓国国民の多くはこれで何かが変わると信じたことだろう。事実、翌日曜日には検察が憲政史上初の現職大統領への取り調べを週明けには行うと発表、事態は大きく動き出すかに見えた。
しかし、今週この流れは一転してよどんだ停滞ムードに変わってしまった。朴大統領は、長期戦になることを覚悟したもようで、NEWSISなど韓国メディアは「キャンドルに目を閉じた朴大統領」と報じている。
朴大統領は18日午後、大統領府で新任の大使5人と大統領府の新任人事で10人に任命状を授与して公式行事を再開した。 朴大統領が公式行事を持つのは、10日の韓国・カザフスタン首脳会談以来8日ぶり。 大統領府は来週22日の閣議を1カ月半ぶりに朴大統領が主宰することも検討しており、内政復帰のサインにする見通しだ。
さらに、朴大統領が来月東京で開かれる予定の日中韓3カ国首脳会議に出席することもほぼ決定した様子だ。日中韓首脳会議は2008年に初めて開かれて3カ国が交互に開催しており、昨年11月ソウルで第6回会議が開かれた。今年は、国政介入疑惑の影響で朴大統領が内政に専念する場合、開催が不透明だという観測があがっていた。
朴大統領は、トランプ政権移行チームと次期米政府関係者の参加が予想されている政府高位実務代表団も米国に派遣した。野党の「国政に対するすべての権限を国会が推薦する首相に委譲せよ」という主張に対して、朴大統領が内政、外政の両方で主導権を手放さない態度を見せたもの、と受けとめられている。
朴大統領は、国政運営を再開するのとは対照的に、検察の取り調べには最大限時間を稼ぐ戦略を駆使している。 朴大統領側の弁護人を務めているユ・ヨンハ弁護士は「最大限急いで弁論準備を終えた後、来週には大統領に対する調査ができるように協力したい」と明らかにした。
このように朴大統領が検察の取り調べには最大限延ばしながらも、急いで国政に復帰したところから、長期戦を念頭に置いて保守層の再結集効果を期待した布石だという分析が出ている。場外闘争に乗り出した野党と違って、国政の主体としての役割を完全に遂行することによって政局を収拾する意志を見せて、支持率回復させようとする戦略という意味だ。
さらには野党に向かって、政権退陣運動も、国政運営には何の問題がないという点を誇示することで、逆に野党を圧迫しようとする意図ももっていると推測されている。
こうした状況を見逃している野党の不甲斐なさも、問題を長期化させている一端といわれる。なかでも、野党第一党のともに民主チュ・ミエ代表は14日に朴大統領との単独会談を提案して大統領府から承諾を取り付けたにもかかわらず、事前に党内外への根回しをしていなかったために他の野党側から一斉に反発を受けて、1日もしないうちに提案を撤回。
さらに今日午前には党内の会合で「朴大統領は最終的に戒厳令までも準備しているという情報も流れています。実に残忍な大統領です」と発言。すぐに大統領府から「野党第一党の責任ある指導者が言うには、あまりにも無責任な政治的扇動だ。今後さらに社会の混乱を煽るような発言は控えていただきたい」と反論されるなど、その言動が事態を更に混乱させることから、政権交代を任せるのはためらわれるような状況だ。
野党3党代表がチェ・スンシル国政介入疑惑対策の会談を行っても目立った成果を出せないまま物別れに終わるなど、来年の大統領選挙と政局の主導権をめぐり同床異夢の野党のおかげで、朴大統領が、ある程度自信を回復したという分析も出ている。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/19-3_1.php
(>>2以降に続く)
先週土曜日に、ソウル市中心部の光化門前広場を朴大統領退陣を求める大規模デモが埋め尽くしたとき、韓国国民の多くはこれで何かが変わると信じたことだろう。事実、翌日曜日には検察が憲政史上初の現職大統領への取り調べを週明けには行うと発表、事態は大きく動き出すかに見えた。
しかし、今週この流れは一転してよどんだ停滞ムードに変わってしまった。朴大統領は、長期戦になることを覚悟したもようで、NEWSISなど韓国メディアは「キャンドルに目を閉じた朴大統領」と報じている。
朴大統領は18日午後、大統領府で新任の大使5人と大統領府の新任人事で10人に任命状を授与して公式行事を再開した。 朴大統領が公式行事を持つのは、10日の韓国・カザフスタン首脳会談以来8日ぶり。 大統領府は来週22日の閣議を1カ月半ぶりに朴大統領が主宰することも検討しており、内政復帰のサインにする見通しだ。
さらに、朴大統領が来月東京で開かれる予定の日中韓3カ国首脳会議に出席することもほぼ決定した様子だ。日中韓首脳会議は2008年に初めて開かれて3カ国が交互に開催しており、昨年11月ソウルで第6回会議が開かれた。今年は、国政介入疑惑の影響で朴大統領が内政に専念する場合、開催が不透明だという観測があがっていた。
朴大統領は、トランプ政権移行チームと次期米政府関係者の参加が予想されている政府高位実務代表団も米国に派遣した。野党の「国政に対するすべての権限を国会が推薦する首相に委譲せよ」という主張に対して、朴大統領が内政、外政の両方で主導権を手放さない態度を見せたもの、と受けとめられている。
朴大統領は、国政運営を再開するのとは対照的に、検察の取り調べには最大限時間を稼ぐ戦略を駆使している。 朴大統領側の弁護人を務めているユ・ヨンハ弁護士は「最大限急いで弁論準備を終えた後、来週には大統領に対する調査ができるように協力したい」と明らかにした。
このように朴大統領が検察の取り調べには最大限延ばしながらも、急いで国政に復帰したところから、長期戦を念頭に置いて保守層の再結集効果を期待した布石だという分析が出ている。場外闘争に乗り出した野党と違って、国政の主体としての役割を完全に遂行することによって政局を収拾する意志を見せて、支持率回復させようとする戦略という意味だ。
さらには野党に向かって、政権退陣運動も、国政運営には何の問題がないという点を誇示することで、逆に野党を圧迫しようとする意図ももっていると推測されている。
こうした状況を見逃している野党の不甲斐なさも、問題を長期化させている一端といわれる。なかでも、野党第一党のともに民主チュ・ミエ代表は14日に朴大統領との単独会談を提案して大統領府から承諾を取り付けたにもかかわらず、事前に党内外への根回しをしていなかったために他の野党側から一斉に反発を受けて、1日もしないうちに提案を撤回。
さらに今日午前には党内の会合で「朴大統領は最終的に戒厳令までも準備しているという情報も流れています。実に残忍な大統領です」と発言。すぐに大統領府から「野党第一党の責任ある指導者が言うには、あまりにも無責任な政治的扇動だ。今後さらに社会の混乱を煽るような発言は控えていただきたい」と反論されるなど、その言動が事態を更に混乱させることから、政権交代を任せるのはためらわれるような状況だ。
野党3党代表がチェ・スンシル国政介入疑惑対策の会談を行っても目立った成果を出せないまま物別れに終わるなど、来年の大統領選挙と政局の主導権をめぐり同床異夢の野党のおかげで、朴大統領が、ある程度自信を回復したという分析も出ている。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/19-3_1.php
(>>2以降に続く)