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金正恩第1書記と面会するシリア・バアス党副書記長

「北朝鮮のパイロットが、シリア軍の攻撃ヘリを操縦して反政府軍を攻撃している」

 ロンドンに本社を置くアラビア語紙『アルクドゥス・アルアラビー』がこう報じたのは、2013年10月28日のことだった。シリア・アサド政権の信頼を失った現地パイロットたちの代役を務めているというもので、これと前後してイスラエルの英字紙『エルサレム・ポスト』も、「(アサド政権が雇った)少なくとも15人のパイロットが、反政府軍の要塞に対する任務を遂行中」とのシリアの反政府系NGO代表のコメントを紹介している。

 これに対し、北朝鮮外務省は全面否定。第3国の情報の中にも、これが「事実である」と確認したものはない。

イスラム国がフェイスブックで北朝鮮政府を脅す

 もっとも、北朝鮮がベトナム戦争を皮切りに、友好国から請われて戦闘機パイロットを海外の戦場に送り出してきたのは事実だ。北朝鮮のパイロットがどのような働きをしたかについては、宮本悟氏の記事に詳しい。

米軍機26機を撃墜した北の戦闘機乗りたち

 こうした事実を踏まえれば、北朝鮮のパイロットがアサド政権軍に加勢しているというのも、あながちウソとは言い切れないのである。

 そうでなくとも、シリアと北朝鮮は軍事的にきわめて強く結び付いてきた。北朝鮮からシリアには弾道ミサイル、戦車、自動小銃などが大量に輸出されている。また2009年11月には、北朝鮮の商社が軍用の化学防護服約1万4000着をシリアに輸出しようとして、貨物船寄港地で押収される事件があった。

 そしていま、両国のこうした関係の持つ意味合いが、武装勢力「イスラム国」の台頭を受けて微妙に変化してきている。

 1月14日、北朝鮮の高麗航空の公式フェイスブックアカウントが、イスラム国の関係者を名乗るハッカーに内容を改ざんされる出来事があった。共同通信によれば、フェイスブックには「共産主義悪党国家の北朝鮮と中国はイスラム戦士の敵と連携したことへの代価を支払うことになる」などと書き込まれていたという。

 これが何を意味するかはハッキリしないが、中国の場合、イスラム教徒の少数民族であるウイグル族に対する抑圧が、イスラム原理主義者たちの怒りを呼んできたことが知られている。

イスラム国はシリアと北朝鮮の核開発を警戒?

 そして、北朝鮮について思いつくことと言えばやはり、イスラム国と戦争状態にあるシリアのアサド政権に対し、大量の兵器を供給してきたことだ。また、北朝鮮のパイロット派遣が事実ならば、彼らの攻撃対象の中にはイスラム国の戦闘員も含まれているかもしれない。

 そもそも北朝鮮は、中東各国に兵器を売るだけでなく、そのビジネス自体が紛争の火種にもなってきた。端的なのが、やはりシリアから請われて共同で進めていた核開発だ。この計画を阻止するために、イスラエルは2007年9月5日にF15戦闘機の編隊で原子炉を爆撃したほか、核開発のキーマンを暗殺するためシリア国内にモサドの特殊部隊を潜入させている。

 北朝鮮が今後もシリアに兵器を売り続けた場合、イスラム国はそれにどう対応するのか。ちなみに中東には、北朝鮮の兵器商社マンたちが多数、駐在している。日本までが巻き込まれた人質事件は、彼らにとっても人ごとではないのではないだろうか。

(取材・文/承山京一)

http://dmm-news.com/article/911125/